この作品を語る上で、主演・三浦春馬の圧倒的な役作りを避けて通ることはできない。役作りのために体重を劇的に減らし、徐々に動かなくなる身体のリアリティを追求した彼の執念。それは演技という枠を超え、ドキュメンタリーのような緊迫感を放っていた。
特に指先一つ動かすことすら困難になっていく過程の表情筋のコントロールは、今見返しても鳥肌が立つ。彼は単に悲劇のヒーローを演じたのではない。病と闘い、時に絶望し、それでも前を向こうとする一人の若者の「魂」を体現したのだ。彼の遺した芝居は、12年経った今も色褪せることなく、日本のドラマ史に深く刻まれている。