配達員が足りない。この深刻な人手不足が、キャンペーンの姿を変えつつある。かつては電話一本で自宅まで届くのが当たり前だった宅配ピザだが、今や「店舗まで取りに来てくれれば無料」というインセンティブ設計が主流だ。企業側にとって、自社でドライバーを雇い、バイクを走らせるコストは年々跳ね上がっている。それなら、顧客自身に『ラストワンマイル』を担ってもらう方が遥かに安上がりなのだ。
都内のとある店舗では、週末になると持ち帰りカウンターに行列ができる。スマホで事前決済を済ませ、滞在時間わずか30秒でアツアツの箱を抱えて帰る人々。彼らは自らの労働力を提供することで、2枚目のピザを「勝ち取って」いるのである。