ガラスケース越しに古い絵巻物を眺めるだけの博物館体験を想像しているなら、見事に裏切られるだろう。ここにあるのは、人間の感情が今にも溢れ出しそうな「立体歴史絵巻」だ。
館内には、道真公の誕生から幼少期の神童ぶり、学者としての頭角、政界での大抜擢、そして悲劇的な左遷と臨終に至るまで、全16のシーンが再現されている。セリフ音声や過度なデジタル演出に頼るのではなく、人形たちの身振りや目線、空間の間取りだけで感情を表現する手法は、どこか映画的な緊張感を孕んでいる。Z世代の旅行者や海外のカルチャー好きの間で「静かなるエモーショナルスポット」としてSNS上で密かに口コミが広がったのも納得だ。