諸伏高明という男の最大の特徴は、感情を露わにせず、常に冷静沈着に事件の核心を見抜く点にある。ニックネームである「所轄の孔明」の通り、三国志の諸葛孔明を思わせる知略と、風流を解する独特の空気感。この複雑な内面を表現するにあたり、速水奨の持つ低音の響きは完璧なピースとしてハマった。
劇中で高明が呟く古典の引用は、時に事件解決の鍵となり、時に犯人の心を静かに射抜く。速水の滑舌の良さと朗朗とした発声は、一歩間違えれば説教臭くなりかねない長台詞を、まるで極上の詩の朗読かのように視聴者の耳へ届ける。低音でありながら耳に残り、すっと心にしみ込む声質。それこそが、高明というキャラクターの知性を担保する最大の武器なのだ。