体育祭や合同戦闘訓練の序盤において、物間に対するネット上の第一印象は「とにかくA組に絡んでくる鬱陶しいやつ」という声が目立っていました。特に主人公・緑谷出久や爆豪勝己ら擁するA組がスポットライトを浴びる中、事あるごとに「A組は目立ってばかりで傲慢だ」「トラブルを引き寄せる厄病神」と舌鋒鋭く挑発する態度は、一部のファンから反感を買っていたのも事実です。
では、なぜその評価が「ヒロアカ屈指の名キャラクター」へと大転換したのでしょうか。その核心は、彼の歪んだ言動の裏に隠されていた「徹底した仲間想い」と「己の無力感を受け入れた上での覚悟」が明かされた点にあります。
物間自身、幼少期から「お前の個性じゃ一人じゃ何もできない」「主役にはなれないヒーロー」と周囲から心無い言葉を浴びせられ続けてきました。ワン・フォー・オールや爆破のような、単体で完結する圧倒的なパワーを持たない自分の限界を誰よりも痛感していたのが物間自身だったのです。だからこそ、日陰に追いやられがちなB組の仲間たちを絶対に埋もれさせまいと、自らが率先して「嫌われ役のピエロ」となり、B組全員の士気を高め、A組という巨人に立ち向かう防波堤となっていました。
そして最終決戦、世界崩壊の危機という極限状態において、その「他人の力を借りることでしか成立しない個性」こそが、人類を救う唯一無二の希望の架け橋となります。自らの劣等感や恐怖をすべて呑み込み、血の滲むようなプレッシャーの中で完璧に役割を全うする姿に、全読者が熱狂し、涙を流すこととなりました。