「新紙幣が普及したことで、旧札は近いうちに使えなくなるのでは」という懸念が一部で囁かれていますが、これは明確な誤解です。日本銀行法第46条第2項において「日本銀行が発行する銀行券は、法貨として無制限に通用する」と規定されており、過去に発行された紙幣は、法令に基づく特別な廃止措置が取られない限り、永久に支払いの手段として有効です。つまり、旧紙幣の使用期限というものは法的に一切存在しません。
ただし、法律上の通用力と「日常生活での使いやすさ」の間には、現実的なギャップが生じつつあります。近年、流通現場で急速に進んだインフラ更新により、旧紙幣使用期限と使える場所をめぐる実情は以下のように分かれています。
有人レジを運用しているスーパー、コンビニエンスストア、百貨店などの対面決済では、福沢諭吉の旧札であっても問題なく支払いに充てることができます。店員が目視で確認し、レジ内に収受する運用が維持されているためです。一方で、駅の新型自動券売機、コインパーキングの精算機、飲食店のタッチパネル式券売機、完全セルフレジなどでは、新紙幣(渋沢栄一券)へのリーダー更新に伴い、D号券などの古い旧一万円札の読み取り機能を順次停止している機器が散見されます。
機械に投入して弾かれた場合でも、紙幣の価値が消滅したわけではありません。有人窓口で差し出すか、後述する金融機関の口座へ預け入れることで、1万円の価値のまま確実に活用できます。