番組のもう一つの主役が、ステージ上の若手を厳しくも温かい眼差しで見つめた豪華な審査員陣でした。上方漫才界の重鎮であった鳳啓助・京唄子をはじめ、赤塚不二夫、タモリ、桂米朝、春風亭柳朝、丹波哲郎など、ジャンルを超えた一流の表現者たちが審査員席に並びました。
特に鳳啓助・京唄子の掛け合いは番組の名物でした。鳳啓助が「ポテチン」などのギャグを交えて会場を和ませる一方で、京唄子はネタの構成や間の取り方について本質を突く辛口の批評を展開しました。当時の放送や手記で語られたエピソードとして、若手が奇をてらっただけの浅いネタを演じた際、京唄子が「あんたら、基本の稽古を怠っとるやろ。舞台はお客さんを騙す場所やないで」と一喝した場面は、プロとしての覚悟を問う伝説の一幕として記憶されています。
また、当時すでに異彩を放っていたタモリや赤塚不二夫の存在は、シュールで前衛的なネタを正当に評価するセーフティネットとして機能しました。シティボーイズや象さんのポットのような、従来の漫才・コントの枠に収まらないナンセンス演劇的なアプローチが失格とならずに評価された背景には、既成概念にとらわれない審査員たちの確かな鑑識眼がありました。