東京・渋谷や原宿のストリートを歩くと、少しルーズに巻かれたスカーフをコーディネートの主役にする若者が目につく。彼らがインスピレーション源として挙げるのが、かつて昭和の銀幕や平成のバラエティを彩った中尾彬さんだ。「おじさん臭い」と一蹴されかねないスタイルが、なぜ今、新鮮に映るのか。それは、ファストファッションで誰もが同じ格好をする現代において、圧倒的な「個」の主張として機能しているからに他ならない。
SNSのショート動画では、「ねじねじ巻き方講座」といったコンテンツが数百万回再生を記録している。時代は巡る。しかし、単に真似をするだけでは、あの独特の渋みは出ない。