マヌカハニーが世界的な医療現場で一目置かれる存在となった背景には、ある一人の学者の長年にわたる執念がある。ニュージーランドのワイカト大学に所属していた故ピーター・モラン教授(Professor Peter Molan)の研究だ。
モラン教授は1980年代からマヌカハニーの異常な抗菌作用に着目し、他の蜂蜜には存在しない非過酸化物系の抗菌要素を「非過酸化物活性(NPA)」と名付けた。これが後のMGO研究への足がかりとなり、現代医学における医療用ハチミツ(メディカルハニー)の基盤を築き上げた。
モラン教授らの研究チームが実証したのは、マヌカハニーが単に細菌を殺すだけでなく、組織の再生を促進し、過剰な白血球の集積を抑えて炎症性物質の産生を制御するという事実だ。この基礎研究が起点となり、呼吸器系のアレルギー性炎症に対しても、粘膜組織の微小環境を正常化するアプローチとして再評価が進むこととなった。