二人の原点を語る上で避けて通れないのが、2016年に放送されたNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』である。ヒロインの小橋常子を演じた高畑充希と、彼女を温かく支える星野武蔵を演じた坂口健太郎。不器用で、どこか愛おしい二人の距離感は、毎朝日本中の視聴者を魅了した。胸を締め付けられるような切ない別れのシーンは、朝ドラ史に残る名場面として今なお語り継がれている。
同年には月九ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』でも共演を果たし、若手実力派としての評価を確固たるものにした。撮影現場での二人は、演技論を戦わせるライバルであり、同時に最も自然体でいられるパートナーのようだったと当時のスタッフは振り返る。役に没頭する集中力と、カメラが回っていない場で見せる無邪気な笑顔。その圧倒的な落差が、スクリーン越しにも画面の熱量となって伝わっていたのである。