日本の切手史において不動の地位を占めるのが、1964年10月1日の開業当日に発行された東海道新幹線開業記念切手だ。東京オリンピック開幕を目前に控え、世界初の高速鉄道として誕生した「夢の超特急」の姿は、当時の人々に強い希望と誇りを与えた。その中央に誇らしげに描かれたのが、愛くるしい丸みを帯びたノーズで親しまれた0系新幹線である。
この記念切手は発行枚数こそ多量であったものの、当時の空前の切手ブームも手伝い、多くの国民が大切にアルバムへと収めた。富士山を背景に疾走する白と青の0系デザインは、昭和という高度経済成長期の熱気そのものを象徴している。現在でも美品のシートや、初日印が押されたヴィンテージ品は、歴史的資料としての価値を含めて高く評価されている。