「引き潮の時刻に亡くなる」という現象が現場で多く目撃される背景には、潮の引力ではなく、人間自身が持つサーカディアンリズム(体内時計)が深く関わっています。
医学的に、人間の死亡時刻が最も集中するのは深夜から早朝(午前3時から午前6時頃)であることが各種の死亡統計で明らかになっています。この時間帯は、次のような身体変化がピークを迎えます。
- 体温および血圧の低下
- 副交感神経から交感神経への移行に伴う循環器系への負担増
- コルチゾールやアドレナリンなど生体維持ホルモンの分泌変化
生命力が著しく低下している高齢者や重篤な終末期の患者にとって、体内のエネルギーが最低レベルに落ち込む明け方は、心機能や呼吸機能が停止しやすい魔の時間帯となります。この「明け方の生体リズムの低下」と、たまたまその時間帯に訪れる「引き潮」のタイミングが重なったとき、人々は自然の潮汐に原因を求めたというのが、干潮時に息を引き取る理由の真の正体です。