屋外の繁華街を彩る広告塔だったネオンは今、個人のプライベートな居住空間へと足を踏み入れている。部屋のインテリアとして、オーダーメイドの小さなネオン作品を飾る若者が急増中だ。自分の好きなフレーズや、抽象的な線画、あるいは推しカラーの光を自室の壁に配置し、夜の時間を演出するスタイルが定着した。
SNSのタイムラインを流れるフラットな画面とは対照的に、部屋の隅で静かに発光するガラス管は、インテリアに圧倒的な奥行きを与える。「夜、部屋の照明をすべて消し、ネオンの光だけでお酒を飲む時間が一番癒やされる」。都内のマンションで一人暮らしをする20代のITエンジニアはそう語る。都市の過剰な情報から遮断された空間で、自分だけの「光の居場所」を作る行為が、若者たちのメンタルケアとしても機能している。