なぜ彼のカメラの前で、人々はこれほどまでに裸になれるのか。その理由は、彼の人間性とその独特な取材手法にある。彼は決して「取材者」として上から目線でカメラを構えない。相手の領域に敬意を払い、自らも泥をかぶる覚悟を持って現場に佇む。
レンズを向ける前に、徹底的な対話を重ねる。時にはカメラを置き、一人の人間として向き合う時間の方がはるかに長い。被写体がふと見せる無防備な表情や、言葉に詰まる沈黙の瞬間に宿るドラマ。それらを逃さず捉えられるのは、時間をかけて築き上げた揺るぎない信頼関係があるからに他ならない。