中枢神経系の損傷に対する根本治療として、世界中が熱い視線を注ぐのが再生医療だ。京都大学の山中伸弥教授によるiPS細胞の発見以来、日本の細胞移植技術は飛躍的な進化を遂げた。現在、国内外で急速に進展する幹細胞治療プロジェクトは、低酸素脳症の後遺症に対しても新たな可能性を開いている。
自他由来の幹細胞を静脈投与や髄液内投与によって体内に届ける治療は、損傷した脳組織の炎症を抑え、神経栄養因子を供給することで細胞の修復を強力にバックアップする。脳神経外科の専門チームが主導する治験や臨床研究においても、運動機能や認知機能の有意な改善データが集積されつつある。
日本脳神経外科学会などの学術集会でも、再生医療と集中的なリハビリを組み合わせる相乗効果が大きく取り上げられている。損傷された脳領域に対して直接的・間接的なアプローチを試みる治療法は、もはや遠い未来の夢物語ではなく、現実の選択肢として目の前に迫っている。