経済界で囁かれていた「接待ゴルフ不要論」は、ここ数年で完全に覆された。『日経ビジネス』の特集記事でも指摘されているように、企業間の大型アライアンスや非公開のM&A案件において、最終的な決断の引き金となるのは今なお対面での全人的な信頼感である。画面越しのプレゼンテーションだけでは見極められない相手の本質を、18ホールのラウンドが浮き彫りにする。
企業の財務部門にとっても、この動向は見逃せない。交際費控除の特例措置や損金算入ルールの改定を背景に、単なる遊興ではなく「正当な営業活動」としてのゴルフ利用が法人の経費設計に組み直されている。しかし、ここで立ちはだかるのが厳格なコンプライアンスの壁だ。過度な優遇や不透明な費用負担は、相手企業の倫理規定に抵触しかねない。現代のビジネスゴルフは、法務と税務の基準をクリアしたスマートな設計が前提となる。