共演するクリエイターや現場のスタッフに彼の実像を尋ねると、誰もが異口同音にその「プロ意識の高さ」を挙げる。血筋に甘える素振りは微塵もなく、むしろ「自分の名前で仕事を引き受けている」という強い責任感を全身から漂わせているという。
深夜に及ぶ編集作業や妥協のない音作りのプロセスにおいて、彼は誰よりも最後まで現場に残り、ディテールを突き詰める。演出の細部にこだわり、納得がいくまで何十回もやり直す姿は、まさに父・岸谷五朗の舞台に対するストイックな姿勢と酷似している。サラブレッドとしての遺伝子は、知名度ではなく「仕事に対する姿勢」にこそ色濃く受け継がれているのだ。