ハニベ巌窟院を巡る口コミを精査すると、評価は真っ二つに分かれます。低評価をつける層の多くは「子どもが本気で泣き叫んで途中で退出した」「不気味すぎて夜に思い出してしまった」といった、過激なビジュアルに対する拒絶反応です。
一方、高評価を投じる来訪者からは「現代の美術館では決して味わえない剥き出しのパッションを感じる」「昭和のアウトサイダー・アートとして国宝級の価値がある」といった熱狂的な賛辞が寄せられています。
現場取材において際立っていたのは、採石場跡の岩肌から染み出す地下水が立てる「ポタ、ポタ」という水音と、薄暗い照明が作り出す陰影の妙です。「鬼の食卓」の前に立った瞬間、生々しい肉片を貪る鬼の眼光と目が合い、思わず息を呑む緊張感が走ります。この生理的な恐怖感こそが、ネット上でハニベ巌窟院 心霊の噂として誇張されて拡散した原因といえます。
実際には事故物件や呪われた場所といった歴史的事実はなく、彫刻家の超人的な技巧と情熱が、観る者の脳裏に「本物の怪異」と錯覚させるほどの現実感を刻み込んでいるのが実態です。