ワンワンという稀代のキャラクターを語る上で、チョー(俳優・声優)の超人的な身体表現を外すことはできない。一般的に着ぐるみキャラクターは、着ぐるみを操るスーツアクターと、後から音声を当てる声優の分業制で成り立つケースが多い。しかし、ワンワンは違う。重厚なスーツを身にまとい、視界も限られた過酷な状況下で、チョー自身が生で声を出しながら激しく踊り、跳びはね、転がる。
この「着ぐるみ一体型」の生演技こそが、ことちゃんとの掛け合いに決定的なリアリティをもたらした。彼女がつまずきそうになれば瞬時に手を差し伸べ、予想外の言葉を口にすれば即座にウィットに富んだ返しを繰り出す。タイムラグのない阿吽の呼吸。チョーが注ぎ込む凄まじい熱量は、スタジオの空気を震わせ、レンズを通じて子どもたちだけでなく親たちの感情をも揺さぶった。
「子どもを子ども扱いしない」というチョーの哲学は、ことちゃんに対しても常に一人の表現者としての敬意となって向けられていた。その本気度が画面越しに伝わったからこそ、視聴者は彼らに嘘のない家族のような親愛の情を感じ取ったのである。