フィットネス現場の指導者や理学療法士の証言によると、「腹筋運動(クランチ)を毎日数百回行っているのに腰痛が治らない、姿勢が変わらない」と訴える初心者は後を絶ちません。その根本的な原因は、体幹と腹筋の違いを正しく把握できていない点にあります。
広義の体幹とは、首から下、腕や脚の付け根までの胴体すべてを指します。その中でも特に身体の安定性を左右するのが、腹腔を取り囲む4つの深層筋群「インナーユニット」です。
具体的には、上部を覆う横隔膜、お腹をコルセットのように包み込む腹横筋、背骨を細かく支える多裂筋、そして底部で内臓を支える骨盤底筋群で構成されています。これらは外からは見えませんが、呼吸や姿勢の保持、内臓の位置安定に直結しています。外側の割れた腹直筋だけを鍛えても、これらの深層筋が機能していなければ、体幹が安定しているとは言えません。