ノーベル賞を2度受賞した偉大な化学者ライナス・ポーリング博士が提唱した「分子栄養学(オーソモレキュラー医学)」の概念は、生体内の分子バランスがいかに細胞機能を左右するかを浮き彫りにした。一人ひとりの代謝状態に応じた最適な微量栄養素の調和こそが、真の健康基盤をつくるという考え方だ。
しかし、商業主義に傾倒しがちなサプリメント業界のマーケティングにより、「多ければ多いほど効く」という極端な過信が広がった。単一ミネラルの突出した過剰摂取は、体内の繊細なミネラルバランスを容易に破壊する。ポーリング博士が説いた「生体分子の調和」という原則を、今こそ見つめ直す必要がある。