ネット上のヴィンテージ情報で最も蔓延している誤解が「USA製タグが付いていればすべて当時物の本物である」という言説です。この認識には2つの危険な盲点が存在します。
第一の盲点は「ブートレグ(当時物ブート)の存在」です。STUSSYが爆発的ブームを巻き起こした90年代初頭、アメリカ現地でも安価な無地USA製ボディにショーンフォントを勝手にスクリーンプリントした粗悪な海賊版が大量に流通しました。これらはボディ自体が当時のUSA製であるため経年変化の風合いは本物に見えますが、タグのデザインやプリントクオリティが公式規格とは異なります。
第二の盲点は「タグの移植(ニコイチ)詐欺」です。ボロボロになった本物のオールドTシャツから黒タグや白タグだけを丁寧に取り外し、状態の良い安価なノーブランド無地古着Tシャツに縫い付けて「ミントコンディションの激レア品」として高額転売する手口が確認されています。首元の縫製糸の色がボディの他のステッチと異なっていないか、タグの縫い付け部分に二重の針穴(縫い直し跡)がないかを必ず確認しなければなりません。