夏八木勲さんが亡くなった2013年は、奇しくも本人が魂を込めて演じ抜いた出演映画が立て続けに公開された年でもありました。まさに「役者としての集大成」と呼ぶにふさわしい傑作群が揃っています。
是枝裕和監督の映画『そして父になる』では、福山雅治さん演じる主人公の父親役を熱演。無骨でありながらどこか切なさを漂わせる頑固親父を自然体で演じ切り、カンヌ国際映画祭審査員賞の受賞にも大きく貢献しました。
さらに、大ヒットを記録した映画『永遠の0』では、過去の記憶を背負い続ける老人・景浦介山役を演じました。病魔と闘いながら撮影に挑んだとは思えないほどの凄みと静かな迫力は、観客の涙を誘いました。これらの卓越した演技が評価され、第37回日本アカデミー賞会長特別賞や第56回ブルーリボン賞特別賞など、没後に多数の映画賞が贈られました。