こうした事態を重く見た厚生労働省も、重い腰を上げつつある。従来の労働基準法では捉えきれなかった「感情労働の搾取」や「実質的な強制労働」に対するガイドラインの策定が進められている。特に、フリーランスやギグワーカーといった非正規雇用者に対する保護新法が施行されたことで、企業側は「契約外の業務」を無償で依頼することへの法的リスクを意識せざるを得なくなっている。
しかし、法的な規制だけでは不十分だという指摘も多い。やりがい搾取の本質は、労働者自身の「断りにくい心理」や「業界の悪しき慣習」に根ざしているためだ。労働組合のあり方も変化しており、業界の枠を超えた横断的なネットワークが、不当な労働環境を告発するプラットフォームとして機能し始めている。