なぜ、これほどまでに人々を魅了する景観がここに誕生するのか。その理由は、周防灘独特の遠浅な地形と、日本一とも称される潮干狩り場の広大な干潟にある。干潮時になると数百メートルにわたって海水が引き、砂と泥が交互に織りなす独自の波状痕(リップルマーク)が露わになる。
太陽の角度が低くなるにつれて、水線に残った水分が夕陽を反射し、まるで細密画のような光と影のコントラストが浮かび上がる。完璧な景観が出現するのは年に数十日程度。干潮のタイミングと日の入りが重なり、かつ雲の配置が適度であるという気象の奇跡が必要とされるからだ。