戦場での冷徹なまでに完璧な立ち振る舞いとは裏腹に、日常生活における辻新之助はあまりにも微笑ましい。その最たる例が「極度の女性苦手」という意外な弱点だ。ボーダー内でも屈指の実力者でありながら、女性隊員やオペレーターと会話する際には視線を泳がせ、耳まで赤くしてしまう。特に同隊のオペレーターである氷見亜季や、他隊の女性メンバーとのやり取りで見せるドギマギした態度は、ファンから愛される最大のチャームポイントとなっている。
作者である葦原大介氏の描くキャラクター造形の妙が、ここにも色濃く反映されている。強いだけのヒーローではなく、誰もが親しみを感じる弱点や人間味を持たせることで、作品世界に圧倒的な奥行きが生まれる。クールな二宮隊の制服を身に纏いながら、心の中では照れと戦っているギャップ。この二面性があるからこそ、戦場で見せる鋭い眼光とのギャップがより強烈なインパクトとなって読者に刺さるのだ。