デジタル疲れを訴えるミレニアル世代やZ世代にとって、この広大な斜面は格好のリセット装置として機能している。派手なイルミネーションテーマパークのような人工感はなく、そこにあるのは風の音と遠く聞こえる電車の響き、そして圧倒的な地平の広がりだけだ。
インバウンド観光客の周遊ルートにも変化が見られる。浅草や渋谷といった定番の観光地を巡り終えた旅行者が、ガイドブックには載らない「東京の素顔」を求めて聖蹟桜ヶ丘駅からバスを乗り継ぎ、この丘へと足を伸ばす。スマホの画面越しではなく、生の肉眼で光の海を噛みしめる姿が強い印象を残す。