作者である藤子・F・不二雄氏は、SF(すこし・ふしぎ)短編の名手としても知られ、人間の「夢」「記憶」「アイデンティティ」の曖昧さを扱った傑作を数多く残しました。「夢はしご」の設定にも、単なるギャグマンガの枠に収まらない深層心理学的なアプローチが見え隠れします。
ネット上で長年語り継がれる「行かなきゃ」や「タレント」といったドラえもんの不気味な都市伝説の多くは、「異界への迷い込み」や「現実崩壊」をモチーフにしています。「夢はしご」が放つ薄気味悪さも、こうした都市伝説的な世界観と親和性が高く、「もしものび太が梯子を踏み外して他人の意識の底に閉じ込められたら……」というファンの妄想や考察を呼び起こし続けています。