シリーズを語る上で外せないのが、歴史的大事件として世界中のメディアを騒がせた2つのエピソードです。いずれも映画化に際して緻密な時代考証が行われ、ドキュメンタリーさながらの迫真性を持って描かれました。
続編『死霊館 エンフィールド事件』の題材となったのは、1977年に英ロンドン北部で発生したエンフィールドのポルターガイスト事件です。シングルマザーのホジソン家で、11歳の少女ジャネットを中心に家具が飛び交い、彼女が男性のしわがれた声で喋り出す現象が多発。警察官やBBCの取材クルーの眼前で怪現象が発生したため、歴史上もっとも多くの目撃記録が残された心霊現象として知られています。映画では、ジャネットに憑依した老人の霊ビル・ウィルキンスの背後に潜む邪悪な悪魔の存在をウォーレン夫妻が暴き出すスリリングな心理戦が展開されます。
さらに第3作『死霊館 悪魔のせいなら無罪』では、1981年にアメリカの法曹界を揺るがしたアーニー・ジョンソン裁判が描かれます。家主を殺害した青年アーニー・ジョンソンが「自分を操った悪魔の仕業であり、自分自身は無罪である」と主張した前代未聞の刑事事件です。少年の悪魔祓いから青年への憑依転移、そして法廷闘争に至るまで、オカルトサスペンスと司法ドラマが融合した重厚なストーリーは、シリーズの新境地を切り拓きました。