戦後の高度経済成長期、日本は「サラリーマンの夫、専業主婦の妻、子ども2人」というモデルを近代化の象徴として追い求めた。地方の大家族から切り離された若者たちが都市部に流入し、新しい家庭を築く。これが日本型核家族の始まりだった。
しかし、このシステムは「地域社会や親族とのつながりを断ち切る」という致命的なトレードオフの上に成り立っていた。企業が社員の生活を丸抱えできた時代はそれで良かった。だが、バブル崩壊後の失われた30年を経て、企業の終身雇用が崩壊した今、セーフティネットを失った核家族はあまりにも脆い。