ドアを開けた瞬間、異質な空間が広がる。廊下に面した壁には、外部を監視するための高精度カメラが数台。窓は厚手の遮光カーテンと防音シートで完全に塞がれ、外の雑音も内部の話し声も一切漏れない。これが、捜査員が突入した室内アジトの全貌だ。
表向きは「Webデザイン事務所」や「通信販売会社」の看板を出しているが、実態は違法賭博のオンライン拠点や、特殊詐欺の「かけ子」たちが寝食を共にする拠点。オートロック付きのエントランスは住人の安全を守るためではなく、警察の突入を1秒でも遅らせ、証拠隠滅の時間を稼ぐための二重の砦として機能していた。