彼の真骨頂は、やはり音だ。特にファンク・ミュージックへの傾倒は、一時のトレンド追随やポーズの類いではない。重厚なベースラインが地響きのように空気を揺らし、そこに切なくも艶やかなボーカルが絡み合う。ライブ会場の空気は、もはや伝統的な「J-POPのコンサート」の枠組みを完全に脱している。
奈良という古都で育まれた感性が、彼のサウンドに唯一無二の深みを与えている。平安神宮での奉納演奏に象徴されるように、日本古来の静寂や美意識が、ブラックミュージックの泥臭い身体性と見事に共鳴するのだ。海外のストリーミングサービスや音楽ディグリスナーの間でも、日本の都市型ポップスとは異なる異質な「グルーヴの求道者」として認知が広がっている。