ネット上の情報で多い誤解が「同じ話を繰り返す=すべて認知症」「しつこい人は全員発達障害」という短絡的な結びつけだ。確かに認知症や発達障害は代表的な原因だが、それだけで判断してしまうと、一時的なストレス反応や薬の副作用、難聴による聞き返しなどを見逃すことになる。実際、高齢者の場合、耳が聞こえにくいために同じ質問を繰り返しているだけというケースも臨床では珍しくない。
また、同じ事を言う ストレスという観点では、介護者自身が強い負担を感じて同じ注意や小言を繰り返す「虐待のサイン」となる場合もある。本人ではなく、むしろ周囲の側が追い詰められていることへの気づきが重要だ。家族機能の専門家は「繰り返される言動にイライラするとき、実はケアする側の休息が不足している」と指摘する。問題を個人の病気や性格に還元せず、家族や職場という関係性の中で捉え直すことが欠かせない。