『トイ・ストーリー2』のエンディングにおいて、シャークが見つけてくれた新しい鳴き笛を飲み込んだウィージーは、それまでの嗄れ声から一転してブロードウェイ歌手のような超絶美声を轟かせます。歌われた楽曲は、シリーズの代名詞である「君はともだち(You've Got a Friend in Me)」のビッグバンド・ジャズアレンジ版です。
この劇的なギャップを生み出した声優陣のキャスティングには、非常に贅沢な裏話が存在します。
英語版キャスト:ピクサーの伝説とブロードウェイの名歌手
原語版でウィージーの普段の声を担当したのは、ピクサーの初期作品を支えた伝説的アニメーター兼ストーリー原案者のジョー・ランフト(Joe Ranft)です。『トイ・ストーリー』の原案や『カーズ』の共同監督を務めた重要人物であり、ウィージーの哀愁ある演技を見事に形作りました。
そしてラストシーンの歌唱パートを担当したのは、ミュージカル界の大スターでありトニー賞受賞歴を持つ歌手ロバート・グーレ(Robert Goulet)です。フランク・シナトラを彷彿とさせる芳醇で力強いバリトンボイスが、映画のフィナーレを一気に華やかに塗り替えました。
日本語吹き替え版キャスト:実力派声優と名コーラス歌手の共演
日本版の吹き替えでも、セリフと歌唱でキャストを分けるこだわりが貫かれています。
- セリフ担当:佐久間元輝(味わい深い低音と情感豊かな演技で、気弱なウィージーのニュアンスを完璧に再現)
- 歌唱担当:鈴木康夫(日本のコーラス界・スタジオミュージシャン界の重鎮であり、圧倒的な声量とスイング感で名曲を熱唱)
「あの美声は誰が歌っているのか?」と長年疑問に思っていた視聴者も、このプロフェッショナルな分業体制を知ることで、ラストシーンの完成度の高さに改めて納得できるはずです。