エステ業界における倒産ラッシュの背景には、根本的なビジネスモデルの破綻があります。多くの脱毛サロンが採用してきたのが、長期契約を結ばせて高額なコース料金を一括またはローンで前払いさせる「前受金ビジネス」でした。新規顧客から集めた資金を既存顧客の施術コストや派手な広告宣伝費に充てるという、事実上の自転車操業に陥っていた企業が少なくありません。
しかし、この構造は新規会員の獲得が鈍化した瞬間に脆くも崩れ去ります。倒産を決定づけた主な要因は以下の3点に集約されます。
第一に、「通い放題・永久保証」プランの重荷です。生涯にわたって施術を保証するプランは、契約時に大きな売上をもたらすものの、会員が通い続ける限りサロン側には追加の収益が発生せず、施術コストや人件費だけが累積する「将来の負債」へと変貌しました。
第二に、医療脱毛クリニックの台頭と低価格化です。蓄熱式レーザーの普及や参入企業の増加により、効果が高く照射回数が少なくて済む医療脱毛の敷居が大幅に下がりました。その結果、エステ脱毛を選ぶユーザーが激減し、新規獲得コスト(CAC)が跳ね上がったのです。
第三に、SNSを中心とした過剰な広告投資です。インフルエンサーマーケティングや「月額100円」といった過激な割引キャンペーンを打ち続けた結果、売上高に対する広告宣伝費の比率が限界を超え、運転資金を急速に圧迫していきました。