多くの大人が思い込んでいる代表的な間違いが、「心(こころ)」を書いてから最後にたすき掛けのようにスラッシュを入れるパターン、あるいは「心」と同じように左上の点からスタートするパターンです。テレビの教養番組や教育機関のアンケートでも、回答者の大半がこのトラップに引っかかっています。
「必」の1画目は、中央を貫く「左払い(ノ)」です。漢字の基本ルールである「上から下へ」「左から右へ」に引っ張られるあまり、左上の点から筆を置いてしまうケースが後を絶ちません。しかし、国の基準である『筆順指導の手引き』において、1画目は中央の斜め払いと明確に定められています。
「心」という字に形が極めて似ているため、無意識に「心+1画」と脳内変換してしまうことこそが、必の書き順を間違いやすい最大の理由です。まずは「心とはまったく別の順序で組み立てられている」という認識を持つことが、正しい知識への第一歩となります。