2019年から北海道標茶町および厚岸町の牧場で、放牧中の乳牛66頭を次々と襲撃したコードネーム「OSO18(オソじゅうはち)」。警戒心が異常に強く、監視カメラや罠をことごとく回避し、夜闇に紛れて牛の急所である内臓だけを貪り食う手口から「忍者グマ」と恐れられました。
長年にわたり捜査機関や熟練ハンターを翻弄し続けたこの怪物は、2026年7月30日、釧路町で駆除された個体のDNA鑑定によってあっけない幕切れを迎えました。仕留めたハンター自身も、その個体が痩せ細り、人間に対して威圧感を見せなかったことから、まさか日本中を震撼させたOSO18だとは直感しなかったと証言しています。後の調査により、駆除時の体重は330キロと推定されていた全盛期を大幅に下回る約210キロまで落ち込んでおり、他の巨大グマとの闘争による衰弱や加齢が原因だったことが判明しました。
しかし、OSO18の終焉が北海道の安全を意味するわけではありません。道内のヒグマ推定生息数は約1万2000頭前後にまで達しており、これは1990年の春グマ駆除制度廃止以降、保護政策が奏功した結果としての急増です。森林限界を超えた個体が市街地に隣接する河川敷や住宅街に居座るケースが日常化しており、都市部と自然の境界線は完全に曖昧になっています。