抗ヒスタミン薬は、開発された年代や分子構造の特徴によって「第1世代」と「第2世代」の2つに大別されます。両者の最大の違いは、有効成分が脳のバリア機能である「血液脳関門(BBB)」を通過しやすいかどうかにあります。
1940年代から使われてきた第1世代(クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、クレマスチンなど)は、分子が小さく脂溶性が高いため、脳内へ極めて容易に移行します。その脳内受容体占拠率は50%以上に達することもあり、強力な催眠・鎮静作用をもたらします。総合感冒薬や睡眠改善薬の主成分として今なお利用される一方、日中のアレルギー治療薬としては副作用リスクが極めて高いのが特徴です。
対して1980年代以降に登場した第2世代(フェキソフェナジン、ロラタジン、ビラスチン、セチリジンなど)は、親水性を高めるなどの分子設計により、脳内への移行が厳しく制限されています。脳内受容体占拠率は20%未満(非鎮静性薬では数%以下)に抑えられており、アレルギー症状を強力に抑えながらも、中枢神経系への副作用を劇的に軽減することに成功しています。作用持続時間も長く、1日1回から2回の服用で安定した効果が持続する点も大きな進化です。