37歳という年齢は、打者にとって大きな曲がり角だ。動体視力の変化や身体のキレの低下と、いや応なしに向き合わなければならない時期である。しかし、今期の中田が見せるバッティングには、そうした年齢の壁をあざ笑うかのような鋭さが宿る。
カウントに追い込まれてからのノーステップ打法、甘いボールを一振りで仕留める集中力。かつての力任せなスイングから、円熟味を増した「技」の打撃へのシフトが結実している。相手バッテリーがどれほど細心の注意を払おうとも、一瞬の隙を見逃さない眼光は衰えるどころか、むしろ凄みを増した。球場全体が息をのむ緊迫した場面こそ、彼の真価が発揮される舞台だ。