出産予定日が近づいているにもかかわらず、子宮口が硬く閉じている場合や、赤ちゃんの頭が下がってきていない局面でこの処置が検討される。産婦人科医が内診時に指を使って子宮下部の卵膜を子宮壁から剥がすことで、子宮頸管の内側でプロスタグランジンと呼ばれる生理活性物質の分泌が促進される。これが子宮収縮を引き起こし、自然な陣痛誘発へと繋がる仕組みだ。
日本産科婦人科学会の各種ガイドラインでも、過期妊娠(妊娠42週以降の出産)のリスクを未然に回避するための安全な手段として、卵膜剥離の有用性が言及されている。医療機器や薬剤を使用せずに内診の手技だけで陣痛のスイッチを入れることができるため、母体や胎児への負担を極力抑えた古典的かつ画期的な医療行為として位置づけられている。