国際派俳優として世界にその名を知られる渡辺謙。彼が映画『ラスト サムライ』で一躍世界的な名声を確立した陰で、幼少期の杏が背負っていた現実はあまりにも過酷だった。父の白血病闘争と多額の治療費、それに伴う家庭の歪みは、幼い彼女の肩に重くのしかかる。やがて両親の離婚が成立し、彼女は高校を中退。親の七光りに頼ることを固く拒み、自らの意志でモデルへの道を歩み始めた。
本名から姓を外し「杏」としてランウェイに立った決意の裏には、父の名前ではなく「自分自身の力で家族の借金を返済する」という切実な覚悟があった。親の威光が当然のように利用される二世タレント業界において、彼女のこの潔い姿勢は異彩を放っていたと言える。