二人の足跡を辿ることは、日本のポップミュージックの発展史そのものを紐解くことに他ならない。伝説のバンド「キャロル」を率いて革新的なロックンロールを世に叩きつけた矢沢永吉。そのシャウトと躍動感あふれるベースラインは、当時の若者文化を根本から塗り替えた。
一方で、1970年代後半に「サザンオールスターズ」として躍進を遂げた桑田佳祐は、日本語と英語を巧みに融合させた独特のフレージングでJ-POPの原点を作り上げた。矢沢が切り拓いた純粋なロックの道筋と、桑田が拡張したメロディカルなポップスの可能性。この二つの潮流が交わったことで、邦楽ロックの可能性は無限に広がっていったのだ。