作品の中で描かれる「はまじ」は、常に教室の爆笑の中心にいた。だが、実際の浜崎憲孝氏もまた、漫画以上のエンターテイナーだったという。さくらももこ氏の回想によると、少年時代の浜崎氏は、奇抜な言動で周りを和ませる天性の才能を持っていた。テストの点が悪くてもカラッとした笑顔を絶やさず、ビンボーな日常さえ笑いに変えてしまう強烈な個性がそこにあったのだ。
とりわけファンの間で語り継がれる爆笑のリアル秘話がある。遠足のおやつ代をめぐるドタバタ劇や、グラウンドでの思わぬ珍事件。さくら氏は、一見すると見過ごされがちな地方都市の何気ない日々を、独特のユーモア感覚で作品へと昇華させた。二人の間には、単なる「作者とモデル」というドライな関係を超えた、少年少女期の純粋な信頼と共感がしっかりと息づいていたのである。