タイヤ交換作業で最も初歩的でありながら命に関わるミスが、ホイールナットの向きと表裏を取り違えることです。ホイールを車体に固定するナットには、主に貫通ナットと袋ナットの2種類が存在します。
上部が塞がれている袋ナットは、開口部側を車体側に向ける構造上、向きを間違えるリスクはほぼありません。しかし、中央が筒抜けになっている貫通ナットの取り付け方向には細心の注意が必要です。貫通ナットをよく観察すると、平らになっている面と、先端が斜め(60度のすり鉢状)に削られている面(テーパー座)に分かれています。
正しい取り付け方向は、「斜めに削れている面(テーパー面)をホイール側に向ける」のが絶対的なルールです。このテーパー角がホイール側の窪みと噛み合うことで、ホイールのセンター(中心軸)が正確に出る構造になっています。もし平らな面をホイール側に向けて締め込んでしまうと、点接触になって十分な摩擦が得られず、走行数キロでボルトが緩み、最悪の場合は走行中にタイヤが外れるタイヤ脱輪事故の危険性を招きます。