ジャズという音楽ジャンルに対する若者の意識を劇的に変えた大きな原動力がある。映画『ラ・ラ・ランド』で描かれた、途絶えさせまいとジャズの情熱に身を焦がす主人公の姿や、映画『セッション』が突きつけた狂気的なまでにストイックなドラム演奏の臨場感だ。これらの作品は、敷居が高いと思われていたジャズの世界を、情熱的でエモーショナルな青春の象徴へと塗り替えた。
さらに、デジタルプラットフォームの普及がこの勢いに拍車をかけている。日常的にSpotifyのプレイリストで「Lo-Fi Jazz」や「Chill Jazz」を聴き流し、Netflixのドキュメンタリーやアニメ作品でジャズの歴史やサウンドに触れたZ世代が、画面の向こう側の世界を体感しようとリアルな店舗へと足を運んでいるのだ。
画面のタップ一つで音楽が手に入る時代だからこそ、目の前でドラマーの汗が飛び散り、サックスの息づかいが肌に伝わる生のセッションに、若者たちはかつてないフレッシュな衝撃を覚えている。