「テレビを指定引取場所へ自力で持ち込めば、処分費用は本当に安くなるのか?」——この疑問に対する結論は、「収集運搬料金の分だけ確実に安くなるが、タダにはならない」です。
経済産業省および環境省の公表資料によると、家電リサイクル法対象機器(テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)の処分費用は、以下のように明確に分かれています。
【総負担額】=【リサイクル料金(再商品化等料金)】+【収集運搬料金】
大手家電量販店や自治体指定の回収業者に依頼する場合、自宅までの出張や店舗から中間集積所までの移動コストとして、1台あたり1,650円〜3,300円程度(税込)の「収集運搬料金」が上乗せされます。しかし、自らの手で一般財団法人家電製品協会が指定する全国の拠点へ持ち込む「指定引取場所への持ち込み方法」を選択した場合、この運搬プロセスを自力で担う形になるため、収集運搬料金が完全に0円になります。
現場取材で確認されたのは、「指定引取場所に持ち込めばリサイクル料金も免除される」と勘違いし、手ぶらで倉庫を訪れて門前払いされるユーザーの多さです。法律で定められた資源再商品化のコストであるリサイクル料金は、製造業者が自ら引き取って適正に分解・再資源化するための対価であり、自己搬入であっても1円たりとも減額されません。浮くのはあくまで「誰かに運んでもらうための人件費・ガソリン代」に過ぎないという構造を把握することが不可欠です。