アニメ版しか知らないファンの多くを驚かせるのが、物語には明確な続きが存在するという事実です。月刊アニメージュで連載された続編『海がきこえるII アイがあるから』では、舞台を完全に東京へと移し、大学生となった拓と里伽子のその後の関係が描かれます。
高校時代の張り詰めた緊張感から解放されたかに見えた二人ですが、東京での生活は決して甘いロマンス一色には染まりません。拓は同じ大学の後輩である津村知沙と出会い、彼女からの好意と里伽子への割り切れない感情の狭間で激しく揺れ動きます。一方の里伽子もまた、両親の離婚問題の傷を引きずり、東京の生活に馴染もうともがきながら、拓に対して素直になれないプライドを覗かせます。
続編で浮き彫りになるのは、単なるハッピーエンドの先にある「大人になりきれない若者たちのリアリティ」です。二人は衝突やすれ違いを繰り返しながら、自分たちにとっての最適な距離感を手探りで模索していきます。高校時代の青い熱情が、東京の冷徹な空気感の中でどのように成熟していくのか、ファン必読の人間ドラマが展開されます。