事件後、現地ではクマの徹底的な駆除を求める世論が沸騰している。安全な暮らしを守るためには、人里に近い個体をすべて排除すべきだという主張だ。しかし、環境保護団体からは「根本的な原因である環境破壊に目を向けず、動物を悪者にするのはお門違いだ」との猛反発が起きている。
カムチャッカの観光資源である「美しい自然と野生動物」というブランドは、この事件で大きな打撃を受けた。人間とヒグマの境界線をどこに引くべきなのか。冷徹な現実を前に、理想論だけでは解決できない深い溝が横たわっている。命の価値を巡る議論は、今も平行線をたどったままだ。