着物の世界には厳格な「格」の序列が存在します。これは単なる形式ではなく、日本人が長い歴史の中で培ってきた美意識と社会的配慮の結晶です。
最も格が高いのは黒紋付や色留袖、振袖といった礼装。続いて訪問着や付け下げが準礼装に位置します。小紋はその下の略礼装からおしゃれ着のカテゴリーに入ります。全体に繰り返し柄が染められているのが特徴で、本来は日常のよそ行き着として発展しました。
一方、袋帯は表裏二枚の生地を袋状に織り上げた帯で、金糸銀糸を使った豪華なものも多く、礼装から準礼装に用いられます。長さは約4.2〜4.5メートル。二重太鼓に結ぶことで格式を表現します。名古屋帯よりも明らかに格上とされてきました。
この格の差が、小紋に袋帯を合わせることへの疑問を生んでいます。格下の着物に格上の帯を合わせるのは「釣り合いが取れない」という考え方です。しかし、この原則は絶対ではありません。