白塗りメイクの奥に隠された鉄拳の素顔とキャリアは、波乱万丈そのものです。本名は倉科 岳文(くらしな たけふみ)。長野県大町市出身の彼は、少年時代から絵を描くことが得意で、当初は本格的に漫画家を目指していました。
高校時代には有名少年漫画誌の新人賞に入選した経験を持つほどの画力を誇っていましたが、一度はその夢を諦め、プロレスラーを目指してFMWの入団テストを受けるという異色の経歴を持ちます。その後、怪我や挫折を経てお笑いの世界へと飛び込み、1997年に「鉄拳」としての活動をスタートさせました。
滑稽なキャラクター付けとして選んだフリップ芸でしたが、当時から業界内では「絵の構図がプロ級」「デッサン力が異常に高い」とイラストに対する評判は折り紙付きでした。漫画家としての挫折、プロレスへの挑戦、芸人としての苦悩など、数々の回り道をしてきた彼だからこそ描ける「泥臭い人生のリアル」が、作品の骨太なリアリティを支えています。